第5章 嫉妬
何?
ちょっと待って。
何が起きてる?
なんでこんなに激甘なの。
なんでこんなに、饒舌なの。
「………好きすぎて、ヤバい」
パニックなままに、耳に届けられた言葉に。
ぐりんっ、て。
すぐ後ろにいると思われる蓮を振り返ると。
予想よりも近くにあった蓮の顔に一瞬、また体温が蘇る。
だけど。
赤くなってる場合じゃない。
「今の、もいっかい」
「………………2度も言えるわけねぇだろ」
「なんて言った?」
「もう、言わねぇ」
そーゆー愛の告白ってさ。
普通目をみて言わない?
あたし完全頭パニックだったよ、今。
大切なことを言われるための準備、出来てなかったんだよ。
なんでさらっとゆーかな。
そんな大事なの。
昨日だって。
さらっと言っちゃうし。
もうちょっとこう、ちゃんと記憶の奥底に響くようにさ?
「……ヤバい、って?」
「は?」
「蓮は、なんであたしを好きになったの?」
あれ。
今、って。
甘い雰囲気な場面だよね、確か。
ドラマなんかだと、エンディング曲が流れたり、挿入歌なんか流れたりしちゃうような。
確かそんなくらいの大事な甘い場面、だよね?
たぶん。
そんなに怪訝な顔で見つめられる場面ではないと、思うんだけど。
「何度も同じことなんか、言えねぇし」
「え?」
同じ、こと?
あたし、蓮からそんな話聞いたことあった?
「まじでわかんねぇの?」
「…………………うん」
完璧に後ろから体ごと抱き締められてるこの激甘な状況下で。
思いきり舌打ちされるのって。
あたしくらいかな。