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桜月夜の、鎖

第4章 代償


感情のない瞳を蓮に向けて。


「同じ顔で、同じ声で。なんであたしじゃダメなの?さーちゃんもあたしも、同じでしょう?」


必死で、美桜は蓮にすがった。



「さーちゃんならよくて、あたしじゃダメなのなんで?おんなじなのに、何が違うの?」





「………………同じじゃない」



蓮の腕にすがる美桜の両肩を押さえて引き剥がしながら。


「美桜も桜月も、同じなんかじゃない」


「…………………っ」


そうはっきりと美桜の目を見て告げる蓮に。


美桜はその場にペタン、と、また、座り込んだ。



「同じなら、れんくんはあたしのことも好きになってくれたのかなぁ?」

「……………………」


自嘲気味に笑う美桜に。
何も答えない蓮の、それが、『答え』だ。



今さら何を言っても遅い。
本心がどうであれ、今美桜に優しい言葉をかけるのは逆効果だ。
心変わりした事実は、なくならないから。





「嘘でもちゃんと、最後に聞きたかったのに」





ふらふらと起き上がる美桜に視線を預けて。
美桜を、追う。



「…………蓮くんの口から、ちゃんと好きだった、って、言ってくれればその言葉、信じられたのに」






何が、間違いだったのかな。
どこで間違えた。
あんなに仲良かったはずなのに。



いつからあたしは。
美桜の隣が嫌いになったんだっけ。



いつからあたしは。
美桜のことを、ちゃんと見なくなったんだっけ。





あたしたちはいつから。
心の奥底からすれ違ってたんだろう。




いつから。
こんなに遠くに離れちゃったんだろう。



一番近い血の繋がりがあるのに。
なんでこんなに、遠くに感じるの。









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