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君達の真似事

第2章 行き当たりばったりの旅




メニューを確認する。
豚骨とか、激辛とかもあるのか。
がっつりいくのも悪くないけど…ここは無難に食べやすい味噌ラーメンにでもしておこうか。

私なりの隠れた配慮ではあるが、こういう時は私自身が食べたいものよりも、ラキオが食べても大丈夫そうなものを選ぶ。そしたら少し分けてあげることもできるし、美味しいご飯を食べることの楽しさをいっぱい知ってもらえると思ったから。
それに普段滅多に食事をとらないラキオのことだから、刺激物は避けた方がいいのだ。

メニューの右下に、ソフトドリンクの一覧が見えた。今更ラキオに聞くのもあれだし…ここはわたしせれくとでなんか適当に選んで頼んでみようかな。ラキオが飲まなければ私が飲めばいいだけだし。
なんとなくだけど、ソーダにするか。
水色の雰囲気と、炭酸がキツい感じがラキオ自身ぽくていい感じだし(?)

「じゃあ、味噌ラーメンとラムネソーダでお願いします!」

ホカホカと湯気がたつ味噌ラーメンがおぼんに乗っかる。プラスチックのカップにはシュワシュワのラムネソーダがカラコロと音を立てている。

「ラキオ、お待たせ〜。ソーダ買ってきたよ!飲む?」

席につくなり、私はおぼんからソーダの入ったコップをラキオの前に差し出した。彼と長く付き合って分かったのは、「中途半端にすすめるよりかは、強制する方が受け入れてくれる確率が比較的高い」ということ。

「遠目から見て薄々気づいたよ。頼みもしてないのに勝手にドリンクを頼むとはね…これがソーダってヤツ?まるで液体窒素のようだね。飲む気が失せる」

彼の初手罵倒に傷つけられ振り回されることは、最近は少なくなった。
しかし、理系男子らしいディスりを受けるラムネソーダの身になると悲しいものだ。




「でも、飲めるよ。炭酸系は飲まないの?一夜漬けのラキオはエナジードリンクとか飲んでそうなイメージあったなぁ…。さてと、いただきまーす」

「そんなの飲むわけないだろう。水とサプリで十分だ。それに飲みたくもないしね……それで、毒味役は僕かい」
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