第2章 行き当たりばったりの旅
ラキオが苦手そうな格闘ゲームとかだったら…負けず嫌いな彼は間違いなく不機嫌になってただろうなぁ。やはりこっちを勧めておいてよかった、と安堵してある間もラキオはずっと自分の前のプレイヤーのハイスコアを抜いたとかプレイスキル云々について話していた。こういうゲームはほとんどしたことが無いというのに、こういったものの理解の速さについては毎度驚かされる。
そして得意げに話す様子は「褒めて!」とアピールする子どもと何ら変わらなくて…かわいらしい。
「ふふっ…私もラキオのプレイ見てみたかったなぁ。楽しめたようならよかったよ」
「楽しい?ハッ、冗談じゃない。まあ良い退屈しのぎにはなったよ。それ以前に時間の無駄でもあったけどね」
そういいながらもさっきよりも明らかに声が高くなっている。ふぅふぅと少し息が荒くなってるし、かなり熱中して遊んでいたようだった。
言っちゃ悪いが、体力はなさそうだし…椅子に座ってゲームに熱中するだけでもかなり体力使ったかもしれない。次はカフェで休憩でもした方がいいかな。
あ、でも…
「ラキオ、どこかで休憩する?」
「のせいで余計な汗をかいてしまったわけだし、できればそうしたいね。でもまさか、飲食店に足を運ぶつもりじゃないよね?との食事の時間は、悪いものとは言いきれないけれど、その後排泄物を垂れ流すハメになるのは勘弁なンだよね」
「うーん、そうだよね…ご飯はもう少し後にして、カフェにでも行く?飲み物くらいは飲んだら?」
「君がそうしたいなら、そうするがイイさ」
私たちはゲームセンターを一度抜け、1フロアのフードコートへ向かった。
昼食の時間にしては早かったので、席はそこそこ空いていた。場所は後で決めてもいいだろう。ひとまず数ある店を見て回ることにする。
ラーメン屋にスイーツ専門店、少し高級なステーキだったり、カラフルでポップな看板が
並んでいた。あまりお腹はすいていなかったけど、看板を見ると胃が刺激されてしまう…。けれど、いつもご飯を食べる時はラキオに付き合ってもらっていた。
必要な栄養はほとんどサプリで摂取していて、食事をとることはほとんどなかった。
そう、前までは…