第1章 前日
私は少し悪ノリして頬ずりしようとしたが、ラキオにとめられた。
「だめ…?」
「どうせ今週はいやでもに付き合わされるンだから、今日くらい勉学に集中させてくれ。ほらシッシッ」
確かにそれもそうだ。旅行を思う存分楽しめるように、今のうちに課題やらなんやらを片付けてもらったほうがいいかもしれない。
「ごめんごめん…じゃ、お風呂湧いたらまた知らせるから〜」
デートの当日…といっても、同居してるからいつもと変わらないっちゃ変わらないかもしれない。
デート先は私が生まれた星だ…地球の首都には大きなショッピングモールがあるし、その隣には小さな植物園もあったかな。
一日でまわれる気がしないな。
せっかくの休みだし、1泊2日でもイイよね?
泊まるところは、何駅か離れたところに素敵な宿を見つけた。この時代珍しい、少し和風な旅館…。
この日は私がリードしてあげるのだ。
いつも何かに追われている彼を、少しでも癒したかった。