第2章 苦労も一緒に
心配かけちゃってたのかな…申し訳ない…
「とりあえず血、流さないと」
「あっ私のカバンの中に水が入ってるからそれ使って」
「わかった」
そう言って彼は私のカバンから水を取り出す
「じゃあ座って」
「はーい」
私は近くにあった切り株に腰を下ろす
「かけるよ」
「ひゃっ、冷たいぃ…」
「大人しくしてて」
「はい……」
レザーは意外にも怪我の手当の手際がいい
慣れた手つきで傷口に包帯を巻いていく
「ありがとう」
「どう?痛い?歩ける?」
「とりあえず立ってみるね」
一応自力で立ってみたが歩くのが精一杯で素早くは動けそうにない
「歩けばするけど走るのは無理かも…この速さじゃ家に帰るまで時間がかかるけど…」
「じゃあゆっくり帰ればいい」
こういう優しい事をすぐに言ってくれるのが彼のいいところだと思う
「ありがとう、それじゃあ帰ろっか」
私は少しふらつきながらも歩き出す