第2章 思春期は理解不能
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『あぁ、もう!こんなイライラしてたら仕事にならないですよ』
「怒りが収まらんとこ悪いが、今日お前ら見廻りな」
『………はい?』
え?みまわり?誰と、誰が見廻り?……わ、私と総悟が見廻りィ!?
いや、だって昨日といい今日といいあからさまに機嫌わるかったですよあの子。情緒不安定ですよ、あの子。
「その事総悟しってるんですか!?」と聞くと「伝えたから知ってる」と…そんな、馬鹿な。
『うぅ…なんで求めてない日だと散々土方さんとペアなのに…いざ必要な時に限ってペアじゃないんですか。本当使えない。最悪です』
「そんなに俺と見廻りしてねェなら、望み通り一生俺と」
『いえ、何でも無いです。今の発言は忘れてください!!』
そりゃ私だって社会人だし?
いくら感じが悪くてもやりますよ?
えぇ、やりますとも。
やるんだけど、さ…
『遅い!!!!』
私は屯所中を走り回り、血眼で総悟の姿を探す。
自室、修練場、木の上、縁側…屯所中の総悟が行きそうな場所は徹底的に調べ尽くした。なのに
『あの野郎…』
──サボりやがったなぁぁぁぁ!!!!
私の怒りの声が屯所中に響き渡ったことは、言うまでもなかった。
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