第2章 思春期は理解不能
土方さんが総悟を引っ張り部屋から出て行く姿を見送り、やっと部屋に静寂が訪れた。
静かになった部屋で日々の仕事の疲れからかあくびがでて、一つ伸びをした。夜も更けてきたし、明日も真選組は仕事だ。私は寝支度を整えて布団に潜る。
「………寝れない」
疲れているはずなのに妙に寝付けない。
目を閉じれば瞼の裏に思い出されるアイツの顔。
───さん…アンタが好きです。
真っ直ぐ私を見つめた視線。
普段なら聞くこともない声色だった気がする。思い出せば思い出すほど顔が熱くなって眠気が吹っ飛んだ。
……屈辱だ。
くそッ…悔しぃ…。無神経にもほどがある!!
たしかに顔だけはイケメンだからアイツが微笑み一つ浮かべればどんな女もイチコロだとは…思う。
否、性格を知らなければの話だが。容姿以外は常にメス豚探してる様なドS野郎だ。隙あれば食いもんにタバスコ入れるし、嫌がらせはするし、口も悪い。上司を立てる事もしない!!
そんな奴に…ときめくなんてッ
「〜っ…忘れよ。うん、それが一番いい」
そもそもアイツは思春期だ。思春期の男の子は何を考えてるかさっぱりわからない。私を揶揄う為にやった事。それ以上の意味はないだろうって自分自身で自己解決をした。
一つ息を吐き、無駄に冴えた頭を沈める。明日も朝早いから早く寝よう。
布団を頭が隠れほど深く被り、私は明日に備えて目を閉じるのであった。
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