第4章 可愛くて面倒な新入生
…とりあえず全体的にボロいってことが分かった
『使わない部屋でも修繕していくから』
ユウ「えっ、いや使う部屋だけでいいですよ」
『使わなくても雨漏りとかは止めないと、腐食していっちゃうでしょ?』
マジカルペンを取り出して、寮全体を包み込む様に魔法をかける
ユウ「わぁ……凄いです!なんて言うか、キラキラしてる」
『ふふ、大袈裟だね。これで雨漏りは大丈夫、他にある?』
ユウ「えっと、じゃあお言葉に甘えて。部屋の物もボロボロの状態なんです」
『ん、分かったよ』
談話室になるであろう場所は、ソファの脚やクッションを綺麗に
キッチンや水回りは清潔が一番だから全体的に綺麗に
ユウ君の部屋は、ベッド全体や天井が高いので蜘蛛の巣や埃を綺麗にした
ユウ「ありがとうございます!凄く綺麗になりました!」
『いいよ、後はユウ君が粗方掃除すれば充分過ごせるだろうから』
ユウ「やっぱり魔法って凄いですね!…魔法なんて僕の世界にはありませんでしたし」
『え"っ…そうなの?どんな世界だったの?』
ユウ「えっと、魔法や人魚や妖精なんておとぎ話の話でした。文字だって違うし、勉強も魔法系のものはありませんでした」
『…共通してるところはないの?』
ユウ「そうですね…学校のシステムとかSNSとかについては似てます」
『そっか…なら授業大変かもしれないね。何かあったら…何もなくても僕の所においで、教えて上げるから』
ユウ「あの、今から最低限の文字の読み書きを教えて貰うことはできますか?」
『勿論!もし分からない文があっても、他が読めれば大体の意味は分かるからね』
お茶淹れてきますねとユウ君がキッチンに行き、僕は談話室に戻る
『……何も知らないなら、エレメンタリースクールの知識も必要かな…?』
最初の授業にもよるなぁ…魔法史があるなら必要だろうけど
パタパタと慌ただしい足音が聞こえる
ユウ「お待たせしましたっ!」
『そんなに急ぐところ…っ?!』
言い終わる前に転びかけてる!魔法でユウ君とティーセットを浮かせる
ユウ「すみません……」
ユウ君を立たせ、ティーセットは零れた紅茶を戻した