第4章 可愛くて面倒な新入生
ユウ「えっ…あ、僕雑用係だから、学食いけない…です」
『はっ?…え、どゆこと?雑用?』
ユウ「あ、そうです。やっぱり魔獣は良くないとか、魔法使えないのにってなって」
だからってよりによって雑用かよ……
『んー…でも生徒の大半ユウ君のこと、生徒って思ってるよ?絶対』
ユウ「あー…だからさっき絡まれたんですかね」
さっきの出来事を思い出しながら、よくそんなあっけらかんとしてられるな
『ま、良いんじゃない?行こうよ、学食』
僕お腹すいたしーっと、有無を言わせずにオンボロ寮から出る
『今日は何があるかな~♪』
前のナポリタン美味しかったしなぁ、あーでもグリルチキンも捨てがたいっ!
ユウ「学校に食堂があるなんて…僕初めてです」
『ユウ君の世界にはなかったの?学食』
ユウ「あ、いえ。なんと言うか学校ごとに違っててですね…ある学校もあるんですけど、僕の学校はありませんでした」
『へぇ…そう言うのがあるんだ』
なんとも不思議な世界にいたんだな
ユウ「早く戻れると良いんですけど……」
『…ここにずっといようとは思わないの?案外楽しくなったり』
そう言いかけると、ユウ君は笑顔で
ユウ「いやぁ…家族とかも心配してるだろうし、何より世界観が違いすぎて馴染めませんよ」
家族…?そっか、ユウ君には家族がいるのか…
『……それもそっか、早く見つかると良いね。帰れる方法』
そう言うとユウ君はさっきよりも笑顔で
ユウ「はい!」
そう言った。………カゾクって何なんだろう?
ユウ「あ、ここが食堂ですか?…広いですね~」
『ま、ほとんどの生徒が集まるしね。食堂では3食食べれるし、厨房貸してくれたりもするんだ』
ユウ「いいですね…本当に僕も一緒で良いんですか?」
『うん、遠慮しないで。僕が料理とってくるよ』
ユウ君の近くに小さいカラスを呼び、一緒にいるように命じる
『何かあったら直ぐに僕に知らせて、時間がなかったら死なない程度に殺っていいから』
カラス「ハイ、アルジサマ」
ユウ「何か怖い言葉が……」
気のせいだよと言い残して、ユウ君のもとから離れた