第4章 可愛くて面倒な新入生
モブ「ひっ……や、やめっ」
『怖がらないで、大丈夫。死にはしないんだから』
すると男は震え上ずった声で
モブ「もう、ソイツには…手、出さないから!っ…たすけ、て」
『……そ、嘘だったらどうなるか分かるな?』
モブ「は、はいっ!お…お前ら!行くぞ!」
倒れていた奴らを強引に起こし、モブらは逃げていった
『さて…ユウ君だっけ?大丈夫だった?』
声をかけるもユウ君の顔はひきつっている
ジャック「顔に血、ついてますよ」
『えっ?!嘘、ラギー君に…!』
ラギー「オレが何スかぁ?ローアくん」
恐る恐る顔を声のした方に向ける
『ら、ラギー君…何でっ』
するとラギー君はニコニコ笑顔で
ラギー「何でって、遅いから見に来たんスよ。そしたら店には居ないでしょ?んで、匂い追っかけたら血の匂いがするじゃないッスか」
『ちが、故意じゃなくて…その』
ラギー「分かってるッスよ?その子助けたんでしょ?…はぁ、無茶しないでくださいッス」
顔をグイッと拭われる
『はぁい……』
ラギー「寮戻ったら服洗って、風呂入るんスよ。全員にグチグチ言われたくなかったら」
『そんなに匂いする?』
ラギー君はそうと言わんばかりに顔をしかめて
ラギー「匂いするどころじゃないッスよ、キツ過ぎ」
『うそ…血、出しすぎたかな』
ラギー「男の匂いの方がキツいッスよ、レオナさんに言われる前になんとかしてほしいッス」
ああと、話が脱線しすぎた
『えっと、怖がらせてごめん。入学式のとき声かけてくれたの覚えてる…?』
ユウ「はい…覚えてます」
『あのときはごめん、少しビックリして。僕はディアナ・ローア』
この子は僕を拒否するだろう、当たり前だこんな所を見せたんだから
ユウ「僕はユウです、あの助けてくださってありがとうございました!」
思わずポカンとしてしまった、どれだけ肝が据わってるんだ
ユウ「驚いたけど凄い格好良くって!あぁ…でもコレバレたら不味いですかね?」
『ぷっ…ふふ、あははっ』
何だ、この子。やっぱり面白い