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テっちゃんといっしょ!

第3章 拝啓 父上様


ブリーフィングルームで報告を終えるとテツヤが盛大な溜息をついた。すぐに咳払いで誤魔化そうとするがこの場にいるのが隊長格だけなのであまり意味がない。
「……すまん。 報告や戦況には問題ないから気にしないでくれ」
実直なテツヤの言葉に従おうとしたが、運が良いのか悪いのかエクセレンとブリットがやってきた。
「艦長、隊長、宜しいですか?」
「どうした?」
キョウスケがこれを受けて二人が隊長の様子を確認しに来たと答える。
彼らの立場を超えた絆をテツヤは是としているので微笑ましく見守る。
「ちゃんに説教されたって聞いたけど?」
そんな中、意地の悪い笑みでエクセレンが言う。その名前にテツヤは過剰なほど反応した。一瞬でキョウスケは理解する。
「いつものことだ……が、少し気落ちしていたようにも見えたな」
「疲れてるんでしょうか?」
ブリットも立ち去るに立ち去れないテツヤを気にしながら尋ねる。気になるなら話に混ざればいいのに、不器用な男だ。
「んー、お姉さんの読みだと……折角の誕生日なのに忙しいから拗ねてるんじゃない?」
「誕生日なのか」
さすがに親しい方とはいえ、誕生日などのパーソナルデータまでは把握していない。というか何故エクセレンが知っているのか謎である。
確認のためにテツヤを見ればまた溜息をついていた。
「……飴をやって黙らせたのは失策だったか」
「いいんじゃない? 艦長もがんばってねん♪」
「いや、自分は戦後処理が……」
「キスの一つでもしてやればいい」
「わお! キョウスケってば積極的~♪」
爆発せんばかりに赤面したテツヤとブリットを放置して二人は去っていき、ブリットは慌てて追いかけていった。
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