• テキストサイズ

テっちゃんといっしょ!

第3章 拝啓 父上様


一人取り残されたテツヤはさりとて格納庫に行くこともできずにブリッジに戻る。途中で、とばったり出会った。
「テっ……艦長、どうしてここに?」
人の目があるので敬語になる。テツヤも周囲を気にして応えた。
「ブリッジに戻る途中だが……こそ」
「私はマリオン博士と連絡を取りに……あ!」
何かに思い至ったらしいは後ろを振り返った。
「だからリョウト君ってば遠回りするように言ったんだ! やられた!」
キー、と喚きながら地団太を踏む。それからハッとした顔でテツヤを見上げた。
「会いたくなかったんじゃないよ! 騙されたのが悔しいだけで!」
「わかっている。 言葉遣い」
「あ……申し訳ありません!」
「……それは急ぎの用事か?」
敢えて上司らしい口振りで話す。そうしないと赤面して逃げ出しそうだ。気づいていないはいえ、と首を傾げる。
「ならついてきてくれ、すぐに終わる。」
「はい……?」
を従えてテツヤは手ごろな空き部屋に入った。
記録に残るのでロックはかけず、改めてに向き合う。
「あー、私的な用事だから硬くならなくていい」
「硬いのはテっちゃんのほうだと思うけど、どうしたの?」
「ああ……まずは18歳おめでとう」
途端にの顔が輝く。忘れていると思われていたのだろうか、だとすると少し悲しい。
物凄く慌しかったのは事実だが、エクセレンが話題に出すまでもなく覚えていた。
「あ、これで彼女に昇進?」
「昇進って……階級じゃないぞ」
「テっちゃんならその方が通じやすいかなと思って」
「そういうものか? ……ならこれは勲章だ。」
ポケットから細長い箱を取り出して持たせる。は驚いて箱とテツヤを交互に見た。
/ 17ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp