第3章 コメット【コイワズライ】*百合
「そーだったのかぁ…でもね…彼女はモテモテですゾ!ライバルいっぱいだNE…」
「そうなんだよ…まして、僕ってその…女、だろ?同性愛をけなすわけじゃないけどさ、彼女自身、れんあいたいしょーが男だったら…僕詰みじゃん」
「いうて、はわりと男女びょーどー?なトコあると思うけどNE。SQちゃんと一緒でどっちもイけたりして」
「う〜ん…だといいんだけどなぁ…
ダメだぁ。いつもの僕らしくない」
と出会ったのは数日前…僕も彼女も避難してこの船に乗り込んだ乗員だった。
自分で言うのもなんだけど、
わりと気さくだしお喋りは好きだから、
色んな乗員達に声をかけては自己紹介しに行ってた。…とはいえ1部、苦手かなって人はいるけどね。
は少し不思議な女の子だった。
いや、みんな個性強すぎるのはそうなんだけど、その中でも掴みどころがないというか…はフワフワの雲みたいな性格の女の子なんだ。野生育ちの僕と違って、結構内気なのかな?とは思ったけど、案外喋るの上手くて彼女と一緒だと時間があっという間に感じちゃうんだ。
それに、はすごく優しくて可愛い。
当たり前かもだけど、大半のやつは僕の体を見て驚くんだ。僕の肌には極彩色の粘菌が住み着いてるから。確かに、他の奴と比べたら結構派手かもしれないけどさ…中には気味悪がる輩も結構いたんだ。「奇病みたい」とかも言われたし…そんなの僕に言われてもどうしようもないし。
外に出た時は開放感で満ち溢れてたけど、同時に「世間の冷たい目」ってやつも経験した。
…僕とシピとはやっぱり似たもの同士ってとこあるのかもしれない。
彼は、猫になりたくて手術受けてるんだった。もちろん悪く言うつもりなんてない!だけど、やっぱりあの容姿は世間で目立たないわけがないよね。
は全然そんなことなくてね。心の底から「すごく綺麗」って言ってくれたんだ。
曇りない言葉だったよ。
少なくとも僕の勘だけど、嘘の感じは全くなかったから…これで嘘つかれてたら結構ショックだなぁ。