第5章 努力
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「はい」
里穂さんが、紅茶を渡してくれた
「あ、ありがとうございます」
メロディーへの怒りと走って帰ってきたので
喉がカラカラだった私は
紅茶をゴクッと飲み干した
「それでことり、どうしたんだ?」
「あ、うん・・・・・・実は」
私は自分の何がダメなのか
ドコがダメなのか
パパたちに聞いてもらった
「ねぇ、パパ私何がダメなの?自分じゃ分かんない」
私が聞くとパパは私の頭をポンポンと
いつもみたいに叩いてくれた
「ことり、お前は自分がダメだと思ってるのか?」
「え?・・・・・・だってメロディーがダメだって」
私が言うと今度は里穂さんが答えてくれた
「ことりちゃん、他人にダメって言われても
ことりちゃん自身、自分はダメじゃないって思わなかったりしない?」
「え?・・・・・・それは」
私自身が私をダメだと思うか・・・・・・思わないか
「私、精一杯歌ってるつもりです」
「それならいいじゃない、ことりちゃん自信持って」
里穂さんがそういうと公輝さんも「そうだぞ」と言ってくれた
「ことりちゃん、自分を信じて歌え」
「・・・・・・はい」
公輝さんの言葉が嬉しかった
江莉さんも「頑張ってね」と笑って言ってくれた
私は精一杯歌ってる
だから・・・・・・メロディーに何度ダメって言われても
頑張って歌い続けるよ
「ことりちゃんは勇気さんの子だもの、きっと出来ると思うよ」
「ありがとう、江莉さん」