第5章 努力
「どこが悪いのよ!私の」
「それは・・・・・・色々よ」
色々ってなによ
言ってくれなきゃ分かんないじゃない
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結局その日は二人の息が合わなくて
解散となった
何よ・・・・・・色々って
私は本気で歌ってるもん、歌ってるのに・・・・・・
どこが悪いんだろう
分かんないよ
私のどこが悪いの?教えてよ
「ただいまー」
「おかえりお姉ちゃん!レコーディングどうだった?」
「うん、まぁまぁかな」
「ねーCDいつでるの?」
「もうすぐだよ」
元太の頭をポンポンと叩く
もうすぐ・・・・・・かぁ
本当にもうすぐデビューできるんだろうか?
二人の息が全然合ってないのに
「ことりお帰り、もうすぐご飯できるよ」
「うん、パパは・・・・・・?」
「今日は早く帰ってきたから、部屋にいるんじゃない?」
部屋か・・・・・・
パパに聞いてもらおうかな、私のどこがダメなのかな・・・・・・
パパなら、分かるかな?
私は階段をかけあがって
パパの部屋まで走った
うちは結構広い、こういうとき広くなくていいのにって思う
だって、早くパパに聞いて欲しい
早く安心したいんだもん
バンッ
パパの部屋の扉を思いっきり叩いた
そしてドンドンッと叩く
「パパ!入っていい?」
「ことりか?いいぞ」
パパからの返事が来て
私はドアをそっと開けた