第5章 努力
そしてレコーディングが終わった
ハモリ部分は少し休憩してからやるらしくて
私たちは一旦楽屋へ戻った
「お疲れ様」
梓さんが入れてくれた
麦茶を飲みながら
私はフーッと息を吐いた
「美味しい~」
歌った後の飲み物ってなんでも美味しい
いつもはママが作ってくれた、苺ミルクを飲むけど
梓さんが
スタッフさんと話し合いがあるらしく
楽屋を出た
私とメロディーの二人きり・・・・・・
「ねぇメロディーってさぁ、芸名なの?」
「違う、本名」
ふぅん
だからあんなに英吾ペラペラなのね
見た目からして、純日本人ではないとは思ってたけど
「あんたはお父さんが勇気さんなのに、なんで篠原なの?芸名?」
「本名よ、ママの苗字が篠原なの」
普通はお父さんの方の苗字を引き継ぐから
なんで「篠原」なの?って聞かれることが多い
もう・・・・・・説明するもの面倒臭い
「ところでアンタ練習ちゃんとしてきたの?」
「してきたわよっ」
「ふーん・・・・・・、それであんなもんなんだ」
「なっなんですって?」
またケチつける気!?
自分でもあれから結構上手くなったって実感したのに
「気持ち全然入ってないよ!もっとしっかり歌って」
「私はしっかり歌ってるわよ!」
なのになに?
ケチばっかりつけて
やっぱり最低!