第4章 オーディション
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「ことり!合格おめでとー」
「ありがとう樹里亜」
樹里亜が拍手しながら喜んでくれて
翼は「うそだ~」って叫んでる
ったく一々五月蝿い・・・・・・
「翼ってばいい加減認めなさいよ」
「認めない認めない!ことりが歌手なんて絶対認めない!」
ムカツク~・・・・・・
そこまで嫌か?あたしが歌手になるのがっ
「俺だってダンサーになりたいのになんで先にことりが歌手なんだよ?」
「実力の差よ」
「そうそう」
樹里亜の言葉に私は同意した
この際だから、威張ってやるわ
「ところでデビューはいつ?」
「デビュー曲が出来てから」
梓さんによると一週間以内に出来るらしいけど
どんな曲かなー
「でもユニットなんだろ?ソロじゃねーじゃん」
「もー五月蝿い!いずれはソロになるもん」
「いずれって?」
「それは・・・・・・その、いずれよ・・・・・・」
モゴモゴと適当に誤魔化すと
翼は「一生ソロなんて無理じゃねーの?」と言った
「出来るもん!ソロになるもん」
「あっそー」
もう!
本当ムカツク
もう無視る!
「ところでもう芸能人さんには会った?」
「まだ、一緒に合格した帆乃香ちゃんとメロディーちゃんくらいしか」
「ふぅん、早く会えるといいね」
「うん」
私が答えると
翼が「あのさ」と私に言った
「なによ?」
「もし仮にM-istの翼さんと会うことが出来たらサインもらってきてくれ」
「ヤダ」
「なんでだよ~」
へへ~んだ
私の悪口言ったバツ!
翼さんにあっても絶対サインもらってあげない
「じゃあせめて公輝さんとか」
「それはパパに頼めば?」
「そうだな!」
翼はさっさと納得して
「あー俺もダンサーになりてー」と叫んだ