第4章 オーディション
「ありがとうございました!」
大きな声でそう言って
私は部屋を出た
後は結果待ちだけ
お願い!
私はギュッと手を組んで
祈るように力をこめた
――――――1時間半後――――――
いよいよ審査発表
審査を受けた10人が椅子に座ってる
私の番号は6番
これが呼ばれなかったら・・・・・・
「合格者は3名です、まず2番の鍋本帆乃香さん」
№と名前を呼ばれた子が
泣きながら喜んでいた
いいなぁ、あの子受かったんだ
「次に6番の篠原ことりさん」
「え!?」
私・・・・・・?
私、だよね?
受かったの・・・・・・
受かったんだ・・・・・・
やったぁ・・・・・・
「最後に9番のメロディー・チューバックさん、以上です」
審査員の先生がそういって
「皆さん、頑張って下さいね」と言って
部屋を出た
私は嬉しくてただただ
椅子に座ったまま泣いていた
オーディションに落ちた子は
泣きながら帰っていく
部屋には私たち三人が残された
「なぁなぁ!ことりちゃんやんな?」
「え?」
さっき、受かった鍋本帆乃香ちゃんが
私の肩をトントンと叩く
「うち、帆乃香言うねん!受かって嬉しいな」
「そうだね」
さっきまで泣いて喜んでいたのに
もう笑顔なんて凄い子だな
「ことりちゃんは何になりたくて応募したん?ウチはな!タレントさん」
「私は歌手だよ~」
「へぇ、凄いなぁ!お互いガンバロウなっ」
帆乃香ちゃんはそう言って
ニカッと笑う
「うん」
私も笑顔でそれに答えた
ガラッ
部屋のドアが開いて
二人の女の人が、入ってきた