第3章 ~転機~
それでもオーディションの結果が来ないんだから
落ちたと思うのは当たり前
私はトボトボと歩きながら
家へと続く道を歩いた
ハァ~、今日またポストを見て
合格発表がなかったらどーしよう
怖いな
オーディションなんて受けなきゃよかった
ドンッ
「いた・・・・・・」
俯きながら歩いていたので
曲がり角で誰かとぶつかってしまった
うわ~ベタ
どうせカッコイイ男の子とかで私がひとめぼれするって言うオチじゃないでしょうね?
作者さん
私はそう思って顔を上げたけど
そこにいたのはイケメンじゃなく、いや男の子でもない
女の子だった
しかもかなり派手
てゆーかこの子どこかで見たことあるような?
「あ、あのゴメンなさい」
私が謝ると
その子は「ヘーキ」と言って
服についたドロをはらった
この子誰だっけ
カラフルな派手な衣装に
ピンクのミニスカート
ピンクのリボンが巻かれた
小さな帽子
山吹色のヒールブーツ
どっかで見た格好だよな?
「あっ!」
思い出した
この子、加藤ジーナだ
タレントさんだ~・・・・・・
「うわぁ・・・・・・」
私がそういうと
ジーナは「気づかれちゃった?」と私に尋ねた
「うん、あの・・・・・・加藤ジーナ・・・・・・さん」
「そう!加藤ジーナなの」
ジーナはそう言って
私の肩をガシッと掴んだ