第3章 ~転機~
その日の夜
「ことり、元太ご飯だよ」
「はーい」
ママに呼ばれて
部屋から出た
今日はパパも早く帰ってきたし
オーディションの事話してみようかな
「わーい今日はハンバーグだぁ」
元太がぴょんぴょん跳ねて言った
元太は昔っからハンバーグが好きだ
私もママのハンバーグ大好き
ママのママ、つまりおばあちゃんから
教わったらしい
「ねーパパ、ママ」
「ん?どうしたことり?」
パパが私を見て言った
「あのね!今日近くのCD屋さんでラズベリーズの新入タレントの募集があったの
受けていい?」
私が聞くと
パパとママは顔を見合わせた
「えっお姉ちゃん芸能人になるの!?」
「かもね」
元太にそう言って
パパたちに「ねーいい?」と尋ねた
「どうする?」
「ん~ことりがいいならいいんじゃないか?」
ママの質問にパパが言った
やったぁ!さすがパパ、私の事分かってくれてる
「でも心配、若いうちからアイドルになると勉強がおろそかにならないかしら?
ただでさえことり、私に似て成績がよくないのに・・・・・・」
うっ・・・・・・痛いところをつかれてしまった
私の成績ってば音楽以外全くいいところがない
「勇気だって一番分かってるでしょ?」
「そうだけど・・・・・・ことりはやりたいんだろ?」
「うん!」
パパの目を見て
私はハッキリと答えた
昔っからの夢だもん、このチャンスを逃したくない