第1章 邂逅
「恐らく、私の言うことは信じられないと思いますが、真実のみをお話致します。」
しんと静まりかえった病室に凛とした声だけが響いた。
「私は、ある国の王直属の戦闘部隊に所属していた神官でした。」
「しんかんってなんだ?」
猪少年が不思議そうに尋ねる。
「神に遣え、奇跡の行使をする職業です。」
少年3人は頭の上にはてなを浮かべている様子だが、今は見ない振りをする。
「例えば、先日彼の傷を癒した奇跡、他にも仲間の身体能力を上げる奇蹟、毒や昏睡から解き放つ奇跡、敵に攻撃を加える奇跡等です。」
「よもや、その様な事が…」
煉獄は呟く。
「しかし、実際に俺は命を救われている。信じがたいが本当の事だ。」
「はい、手のひらが光ったかと思ったら、煉獄さんの傷をみるみるふさいでいったんです。」
緑の少年、竈門炭治郎と名乗った彼は言葉を続けた。
「でも、そのあとすぐにさんは血を吐いて倒れてしまって…」
「気になさらないでくださいね。少し魔力の消費が激しかったもので、体に影響がでただけです。」
「魔力とは?」
胡蝶が間髪入れずに問いかける。
「奇跡を公使するために使う生命力の様な物です。練り上げればこんな感じで…」
が手のひらを持ち上げると、その上に小さな炎が上がった。
「うおー!すげ!!なんだそれ!!」
猪少年、嘴平伊之助が目を輝かせる。
「炎の呼吸ですか?」
黄色い少年、もとい我妻善逸が呆然とした表情で言う。
「呼吸って言うのはわからないですが、これは初級の魔法です。」
「私には戦闘能力はほとんどありませんが、奇跡の行使によって、仲間の補助を行うと言う使命がありました。」
「ところが、大規模な遠征の途中、とても強い魔物の大群に急襲され部隊は壊滅しました。」
「もう死ぬのだなと思った矢先、禁じられた奇跡を思い出しました。」
「禁じられた?」
胡蝶が問う。
「界渡りです。」
「かいわたりとは?」
煉獄が問いかける。
「世界を渡る奇跡です。」