第4章 戦場に帰る。
「こいつは、ド派手にやったもんだな。」
塵のように消失していく鬼を見ながら、宇髄はに歩み寄る。
「怪我はねえか?」
体を屈め、目線を合わせて確認をする。
「はい。私は大丈夫です。あちらの隊士さんが少し怪我が重い様です。」
聖壁を解除しながら状況を説明をする。
「隊士を助けてくれたこと、礼を言う。」
真剣な面持ちで宇髄は言う。
「だが、宿から出るなって煉獄に言われていただろう?」
眉をひそめる宇髄。
「うむ!その通りだ!!」
その背後から、煉獄の大きな声が響いた。
「杏寿郎さん…。」
煉獄の顔は、いつもと同じに見えるが、額に青筋が浮いている。
口角はいつも通り上がっているが、眼の奥に怒りの色が見える。
「君には鬼を斬る事は出来ない。だから隠れているように言い聞かせた筈だが。」
此方を見下ろす煉獄の咎めるような視線に耐えきれず、俯く。
「申し訳有りません、杏寿郎さん。」
言い付けを破ったのは自分だ。
この優しい雇い主は私の身を案じ、隠れている様に言ったのだ。
それを無下にしてしまった。
罪悪感が心を覆う。
「あの、彼女は自分を助ける為に戦ってくれたんです。咎めるなら鬼殺隊士として至らなかった自分にお願いします。」
隠によって担架に乗せられた隊士が煉獄に話しかけた。
「怪我は大丈夫ですか!?」
が弾かれた様にそちらを向く。
「はい。貴女のお陰です。ありがとうございました。」
まだ体が痛むのだろう、辛そうな声で礼を言う。
「炎柱様、殺されかけていた自分を守り、戦って下さった恩人です。どうか彼女を責めないで頂けないでしょうか…。」
「そうだぜ、煉獄。のお陰で本体を仕留められた。その辺にしておいてやれ。」
宇髄も加勢する。
「…ああ。そうだな。、もうこんな無茶をするんじゃない。」
煉獄は2人の言葉に折れ、に話し掛けながら、その頭に手の平を乗せ、ゆるりと撫でる。
「宇髄、後の処理は任せても構わないか?」
「おう。お前らも疲れただろう、早く帰って休め。」
宇髄は快く答えた。
「君も、しっかりと体を休めて、傷を癒すように!ご苦労だったな。」
担架の上の隊士に労いの言葉をかける。
「さて、帰ろうか。」