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カーディナルの片想い【名探偵コナン】

第4章 見えない傷


バーボンは自身の愛車に寄りかかったまま何度も腕時計を見てはため息をついていた。


遅すぎる…何してるんだ


待ち合わせの時間から1時間たってもカーディナルは現れない。


ただでさえカーディナルを毛嫌いしているバーボンは苛立ちを隠せない様子だった。


「はぁっ…はっ…」


誰かの息遣いが聞こえたと思い、バーボンがその方向へ振り向くとそこには疲れた様子のがいた。

走ってきたのだろう、だいぶ息が上がって肩で息をしている。


カーディナルの手にはパソコンが握られている。


「待ち合わせからだいぶ時間経ってますけど、何してたんですか。相手を酔わせて薬を打つだけですよね」

「…ごめんなさい」

「しかもどうしてパソコンなんて取ってきたんですか。私物が無くなっていたら相手に気付かれる可能性だって高くなるでしょう」

「解析したら、何か有利な情報が得られると思って」

「はぁ…全く…ほんとに自分勝手ですね、貴方は」


早く乗って下さい


そう言い捨ててバーボンは運転席へと乗り込む。


が助手席に乗り込んで、バーボンはすぐに車を発進させた。




車が信号で止まり、バーボンはカーディナルに問いかける。

「こんなにも遅れた理由はなんだ」

「…」

「はっ、黙ってるつもりか。それとも、言えないような内容なのか」


バーボンはカーディナルの顔を見る。
その顔は無表情で、とても申し訳ないと思っている様子ではない。

その態度にバーボンは益々不機嫌になりながら、バーボンの瞳はの首元についたまだ新しい紅い跡を映した。


バーボンの中で、プツンと何かが切れそうだった。


「僕が任務をしている間、時間を忘れるほど抱かれていたのか」


バーボンの明らかに怒っている、重たく冷たい声が車内に響く。


はバーボンの言葉にビクッと肩を震わせた。
唇をギュッと噛み締めて、窓の外へと顔を向けた。

その様子を見てバーボンは肯定だと捉えた。


「そんなにセックスしたいなら組織の誰かでも誘ったらいい。お前の顔ならすぐに引っかかってくれるだろう。任務中にされるのは吐き気がする」


信号が青に変わり、車はまた動き出す。


「僕はお前の性欲処理のために時間を削られたって訳か。僕も僕で真面目に待ってたのが馬鹿らしい」



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