第3章 シルバーブレット
「でもなんで安室さん…バーボンはさんにあんなにそっけなく接してたんだ…」
「それは、彼女が組織の人間だったからじゃないの?」
「それもあると思うけど、さんポアロで誰かを探してるみたいだったって言っただろ?恐らくそれは安室さんなはずなんだ。けれどさん、安室さんが戻ってきた時、しまった、って顔してた」
「バレたくなかった、ってことね」
「ああ、それはまだ分かるんだ。けどなんか引っかかるんだよな…、安室さんならもっと自然に振る舞ってもいい気がするし」
「私は組織でバーボンと会ったことはなかったけど、そんな噂聞かなかったわよ」
「まぁ、今度会った時に探り入れてみるか…」
コナンのその言葉を聞いて、灰原はハッと思い出した。
「待って、ダメよ…!!彼女に近づきすぎては…!」
「そりゃあ組織の人間だから慎重に近づくけど、お前だって言ってただろ、さんは他の奴らとは違うって。バーボンに比べたら…」
「違うの…!思い出したのよ!彼女の秘密…」
秘密という言葉に顔を険しくするコナン
─おい、カーディナルはどこにいった─
─ウチの研究員に呼び出されたとか言って出てったわよ─
─…そいつ、男か?─
─そう言ってたけど─
─誰だ─
─貴方に言っても分かんないわよ─
─いいから言え、今すぐに─
「彼女、ジンのお気に入りだったはず…」
「なっ…!!!」
灰原の声は少し震えていた。
コナンの先程までのへの期待は見事に打ち砕かれた。
言葉が上手く喉を通らない。
一瞬呼吸の仕方を忘れたような気さえした。
「ジンのお気に入りって…」
「彼女の方は分からないけど、ジンはお気に入りと言うより…執着って感じ。それも異常な程のね。ある日突然ウチの研究員が姿を消して、後に殺されたって分かったの。」
「まさかそれって…」
「組織でも極秘な情報だったけど、その殺された男、彼女を襲おうとしてたらしいのよ。そこにジンが鉢合わせて…だから恐らく、」
「なんでお前はそれを知ってんだ?」
「彼女本人から聞いたの。ウチの研究員だったし、彼女は目の前で殺されたのを見てる。その話を聞いてる時にね、見えたのよ。彼女の首元に、消えかけた歯型が」