第3章 シルバーブレット
一方コナンはポアロを出た後、阿笠博士の家へと向かった。
「なんじゃ新一、また何か壊れたのか?」
「いや、急なんだけどよ、ちょっと灰原に聞きてぇことがあんだ」
玄関で出迎えてくれた博士の横を通り過ぎて中へと入る。
「何、そんな急な話って」
ソファーで新聞を読んでいた灰原は目線は反らさずにコナンに問う。
「灰原、お前、さんって知ってるか?」
バサァッ…
灰原の手から新聞が抜け落ち、床にバラバラに散らばる。
灰原は目を見開いて混乱した様子でコナンに詰め寄る。
「貴方、どうしてその名前を知ってるの…!!」
灰原は叫ぶようにコナンに尋ねる。
「おい、ちょ、落ち着けよ。どうしたんだよ灰原」
「私の質問に答えて…!!」
「会ったんだよ、さんに。てか、やっぱお前が知ってるってことはさんは…
「会った!?どこ、どこで会ったの!」
「灰原落ち着け…!ちゃんと話すから…!」
コナンはこんなにも取り乱すを灰原を見るのは珍しく聞きたいことは山ほどあったがとりあえず話が出来るように落ち着かせる。
一旦ソファーに戻った灰原に博士はコナンの分も含めてコーヒーを入れた。
それを飲んで灰原はふーっと1つ小さく深呼吸をすると、ごめんなさい工藤君、と徐々に冷静さを取り戻した。
「それで、貴方はどうして彼女の名前を知ったの」
「俺が通り魔を追ってた時に怪我しそうになって、それを助けてくれたんだ。そしたら彼女が怪我をして、そのままポアロに行ったんだ」
「そういって、貴方彼女のこと調べようと思ったんでしょ」
「ああ、通り魔を撃退した動きがただ者じゃなかったからな」
「それで?どうして私に聞こうと思ったの」
「ポアロに着いてから彼女ずっと店内をキョロキョロしてたんだ。まるで誰かを探すように」
「ポアロって…まさか…!」
「安室さんがポアロに戻ってきた時にさんの様子がおかしかった。その後直ぐに帰るって言い出して、俺は止めようとしたんだ。それを安室さんは何も言わずに彼女をレジに誘導した。普段の安室さんなら考えらんねぇよ。」
「その2人の態度から彼女が組織の人間じゃないかって疑ったってわけね」