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カーディナルの片想い【名探偵コナン】

第3章 シルバーブレット


「さんは何か武道でもやってたの?」

「小さい頃から護身術をちょっとね」

コナンにそう告げながらの視線は店内を一周する。

「誰か探してるの?」

「え?」

「さん、ポアロに入ってから周りを見渡すこと多いから」

単なる子供の疑問。
目の前で美味しそうにオレンジジュースを飲むのはただの小学生。

けれどはさっきから薄々感じていた。


この子、私に探りを入れにきてる



「誰も待ってな…


「ただいま戻りましたー!」


の言葉を遮って、ドアの開く音と共に聞こえたその声。

の表情が一瞬固まる。

コナンはその様子に眼鏡の裏で目を細める。


が座っているのはソファー席。
だから自然と視界に入ってしまう。

「あ、そう言えばコナン君来てるんでした!」

梓は2人が座っている席に視線を向けて言う。


組織では1度も見たことの無い、その笑い方。
普段よりちょっと高い声。


後ろを振り向いた貴方と目線が合って



ああ、すごく嫌そうな顔してる。



「安室さん!」

「やあ、コナン君。来てたんだね」


コナンは安室に無邪気な笑顔を向ける。
安室もまた、いつものスマイルで答える。


「それで、こちらの女性は?」

安室がチラッとの方を見てすぐにコナンへと視線を戻す。

「さんって言ってね、僕が歩道橋から落ちそうになったのを助けてくれたんだ!」

「歩道橋?どうしてそんな場所から?」

「えへへ、ちょっと通り魔を追ってて」

「はぁ…まったく君は、」

安室はやれやれ、という表情でコナンを見る。

はその様子をただじっと、静かに見ていた。


「助けてくれてありがとうございました。お詫びにそのドリンク代は結構ですよ」

「いえ、手当をしてくれたのはあちらの彼女ですから」

そう言っては梓を指す。

「そうでしたか、」

安室はの足元を見る。
膝には大きめの絆創膏が貼られている。

「そろそろ時間なので失礼します、ごめんねコナン君、もう行くね」

「えっ、待ってさん!」

「お会計でしたらこちらへどうぞ」



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