第7章 接近
Tシャツにジーパンという
普通な格好をしているのに
なぜ櫻井さんが着るとカッコいい
のだろう・・・。
「あの、そんなに見ないで」
「え?」
顔を上げると、櫻井さんが横を向いていた。
耳がほんのり赤いのがわかる。
「わっ!ごめんなさい。私、つい」
「いや、大丈夫・・・でもないけど、
まあ、オーケーかな、ハハ」
なんなのだろう、この会話。
櫻井さんといるとこっちまで
恥ずかしくなってしまう。
私は、櫻井さんの相談を
聞きに来ただけなんだから
わかっていても、緊張する。
だけどだけど、櫻井さんだって
人に悩みを言うなんて緊張するだろうし
私が自然体でいないといけないんだけど
「その服、似合うね」
なんて言われたら、
自然体でいられる
わけがないじゃないですか!!