第7章 接近
「どうかした?」
櫻井さんに下から覗かれて
慌てて視線を反らした。
だけど、いくらスタッフでも
アイドルと食事なんて珍しいし、
何せ二人きりだから
ドキドキしても、おかしくないか。
メニューに目を向けて
どれにしようか悩む振りをする。
でも、やっぱりばれてる。
「フフッ・・・」
「あの、なにか」
櫻井さんの笑った顔は
くしゃっとしてて、ちょっと可愛い。
「ううん。下手だなぁって」
「はい?」
「何でもないよ、ほら、何食べる?」
顔の前で手を振る櫻井さん。
もうすでに、私がここへ
何をしに来たのか忘れかけている
そんな気がする。
「じゃあ、ウーロン茶で」
「俺は、、どーしようかな」
悩んだ末二人でウーロン茶になった。
それもそれでドキマギする。