第6章 努力
普通で行こう。
オシャレなんていらないはず。
櫻井さんが、何でも話せるような
かしこまらなくてもいいような
「普通で行こう!」
「じゃあ、、お!これよくない?」
クローゼットをガサゴソする向井。
なぜか私よりも私の服を見極めている。
さっきの、『弟のような』は訂正で
『姉のような向井』にしておこう。
美容師の仕事をしていた向井は
髪のセットも服装も、ネイルなんかも
すべてにおいて身を任せられるほどに
すごい才能を持っている。
だから、
「これ着てみて?」
と言われれば着て
「これ履いてみて?」
と言われれば履いて
「やっぱりこっちにしよう」
と言われればそっちにする。
そんな私なのでありますよ・・・。
どうせ私はいつもいつも
重くてダサい服を着て、画用紙片手に
しゃがみこんでますよ!!