第6章 努力
「デート系だと思ってるでしょ」
「思ってないよ」
「うそだー」
「櫻井さんとなんでしょ?」
「なんでわかったの・・・」
向井が、一瞬というか、二瞬というか
怖く見えた。
「なんとなく。だからやっぱりデート系
じゃなくったって、オシャレぐらいしていこーぜ!」
親指をぐいっと立ててきた。
なんでそんなドヤっとした顔なの?
今日のバラエティでもそんなキザ男
が出ていたような気がする。
「でも、確かに芸能人だもんね」
「うん」
ごもっともですが、ですがね。
私は櫻井さんの、力になりに行く。
救いになってあげたくて
悲しい顔の理由が知りたくて
それなら、
オシャレなんて、しないほうが
いいのかもしれないよね。
気合い入れてこられたら
向こうもなんだか困るよね。
常に体に力が入っているであろう彼を
癒すために、話を聞きに行くわけだから
「どーするの?」
向こうに楽になってほしい。
「向井」
「ん?」
「普通でお願い」
「りょーかい」