第6章 努力
なんでだろう・・・
ドキドキする。
夜が、一刻一刻と近づく度に
どんなことを話せばいいのか、
どんな対応をすればいいのか、
どんなリアクションがいるのか、
わからなくて、緊張する。
一応芸能人と会うのだから
オシャレをしていかないといけないのか
私だって女の子だもん。
それくらい、考えたいけど・・・
「あ”~気持ちいわ~」
「肩バキバキですよ、」
「ずっとカンペ持ってんだよ?しゃがんで」
「お疲れちゃん」
それは多分、櫻井さんが出演したドラマの
ある刑事の真似をしているんだと思う。
「それよりさ」
「ん?」
向井のマッサージに浸かりながら
気の抜けた返事をする。
「今日出掛ける?」
「出掛けるよ」
「仕事?」
「まあ、仕事っていえば仕事かな」
「ふーん」
仕事なのかは知らないけど
私が選ばれたからには
シャキッと行こう!!
「夕飯込みですか」
「込みですよ」
「何着てくん?」
「決めてない」
「じゃあ今決めちゃおー」
「は?」
マッサージが終わってしまい
腕を引かれてクローゼットへ。
なんでここまで張り切ってるのか
私には全くわからない。
「どんな人なの?」
「・・・あのさ」
こいつ、なんか勘違いしてるんだよ。