第6章 努力
「来ましたよー」
「なぜ来るのさ」
「だめ?」
「だめ」
日に日に成長していく向井。
それでも心はお茶目なのね。
「これから帰る?」
「帰るよ」
「俺も行くわ」
「どこに?」
「の家」
「・・・え」
家に来るなとは言わないさ。
これのマッサージは気持ちいいから。
でも、うるさくてしょわしないんだ、これ。
「レッツゴー」
「なあにが『レッツゴー』だよ」
「ほらほら」
「へいへい」
夜には櫻井さんとの約束がある。
早めに切り上げないと、下手をすれば
『俺も行く』とか言いよるからな。
「とっとと行ってマッサージして帰れー」
「うわっ!ひっど~(笑)」
私の弟のような向井。
櫻井さんにも、こんな何でも話せるひと
いるはずなのに、
なんで、私を誘ってくれたのか・・・
最終的にいきつく疑問は
ここなんだよなぁ~
「どうかしましたか、」
「ううん。櫻井さんがねー」
「櫻井さん?」
「おわっ!なんでもないから、ね、はい」
櫻井さんがね・・・
悩んでるんだよ。
悲しい目をしてね。