第3章 進展
「キャーー」
中に入って、もう大丈夫と油断したら
体が前に思いっきり倒れてく・・・
ポスツ
でも、聞こえたのはゴチンではなく
ポスツ・・・?
「ナイスキャッチ」
「へ?」
顔を上げると、またもや微笑む
櫻井さんの姿。
「怪我、ない?」
「はい」
「ねえ・・・それやめようか」
「はい?」
二人とも立ち上がった途端に
腕を掴まれて、身を寄せられた。
なぜか、私はドキドキしてて
櫻井さんは、TVの向こうでは
決して見ない表情で。
「『はい』なんて言わないで」
「え?」
「敬語は仕事の時だけでいいよ」
「何を、言ってる・・・!」
続きが話せなかったのは
櫻井さんの人差し指が
私の口許にやってきたからで。
「今度言ったらキスしちゃうよ」
「へ?」
「ウソウソ。ははっ」
「冗談がきついな~」
大体、なんで私が、ていうか
転ぶからいけないんじゃーん
「こっち、」
ソファに座る櫻井さんが
自分の隣をとんとんする。
いうのかな?
ここは裏側だから、滅多に誰もこないけど。