第3章 進展
「では、失礼して・・・ぎゃっ!」
足を机の脚にぶつけたー!?
「え、・・・・・・はっ!」
なぜかそっと目を開いて
私がいたその場所は
「櫻井さん!?」
「ん?」
櫻井さんのまったく隣。
隣過ぎて近すぎだよ。
「さ、さすがにこの近さはまずいのでは?」
「ここは南だから誰もこないよ」
「そうです・・・かな?」
「なに、その日本語」
「貴方が敬語はやめろって!」
「ま、そうだよね」
でも、なんだかんだ隣に座った。
少し、後ろに下がって距離をとる。
それしかできないもの。
「俺、へたれに見える?」
「まったく」
「だよねー」
「なぜ?」
「いやさっき、ゲストの人に挨拶行ったら
『櫻井さん、意外とへたれですね』って」
「な、なるほど・・・」
へたれ・・・んなもん知るかっての。
「あ、なんかごめん。こんな話を」
「いえ。平気で・・・平気」
「無理なら敬語でいいよ?」
「え・・・」
どうして
どうして
「どうして、そんな切ない顔するんですか?」
「・・・!?」
「さっきから時々見せる、その表情」
「ごめん」
「・・・櫻井さん」
「ん?」
「話し聞くぐらいなら、できますよ」
「え・・・」
「ま、まあ嵐さん同志で話すなら
べつに・・・ねえ?」
そうだよね。
そんなもんかな。
「今夜、付き合ってくれる?」
また、切ない目をする。
この人・・・一体・・・どうしたの?
「・・・はい」
「じゃあ、『のぞみ』てお店わかる?」
「はい。あそこの大将とは付き合い
長いので・・・」
「じゃあ、7時にそこで」
「了解です」
「本当は迎えに行きたかったけど」
「え?」
「ううん、なんでも」