第2章 意識
「じゃあ・・・さんは
俺らのこと・・・キライなの?」
まるで子犬のような目をして
上から尋ねてくる櫻井さん。
気を、悪くさせてしまったのか
そうでないのかわかんないけど
「あ、嫌いというわけではないですよ」
「本当に?」
「ま、まあ・・・好きでもない・・・
わけでもないわけでもないですけど」
なんか、自分の発言が意味不明なことに
頭を悩ませる私はどうなってんだ・・・。
「さん・・・」
「な、なんでしょうか」
さっきの笑顔とは売って変わっての
切ないような目をする櫻井さん。
そういえば、休憩中もこんな目してた。
あー、今思い出しただけでも恥ずかしい。
すごい上から目線なこと言ったもんね私。
「・・・さっき、ありがとうね」
「え?」
「昼休憩。俺のくだらない発言に
見事なアドバイス。すごい救われた」
なんだ・・・思っていたより
効果がいい方向へ向かってた。