第1章 何が起きた
「私そんな霊感なんて無いですし、お化けなんて見た事ないですっ…!」
「変なんで失礼な言い方は良くないよ。すまないね、ただ、本来の呪力と違う事は確かなんだけど。」
「私の術式要らずの反転術式も持ってるみたいだしね。」
呪力、術式って何だ?
また新しいワードが出てきて?が浮かぶ。
「呪力って言うのは君の言う霊感みたいな物で、術式はその呪力を技として応用して使う物なんだ。」
「えっと、私にはその呪力があるって事ですか…?呪力も術式も私は無いですし、そもそもあの化物に遭遇した事も一度も無いですよ…?」
「命の危険に遭遇して目覚める人も居るから今回はそのケースじゃないかな。」
そうなんですね、と言ったはいいが、そんな不可思議な事が起こり得るのか。
実際に起こって入るんだけど…
そもそも祖父から不思議体験を聞いた事はあったが化物を見た事がある等聞いた事はない。
簡単に理解する事出来ず考えを巡らせる。
「あ、すみません、話変えてしまうんですが、此処は何処ですか?塾からの帰り道だったんですけど家の近くにこのような学校があったの知らなかったので…」
「あぁ、東京の○○市だよ。」
「多摩市ですか、そしたら家から近いかもしれないですね。○○市に住んでるので。」
「そう、なら良かったね。」
するとタイミング良く家入さんの携帯が鳴る。
電話に出て話し始めると、チラリとこちらを見る。
通話が終わると溜息をついた。
「呼び出しだ。霧乃さんに話があるって。お前等も一緒に来い、だと。」
そう言われた2人は?を浮かべて顔を見合わせていた。
何故一緒に?
何かあったのだろうか。
とりあえず行くよ、と歩き出す家入さんに付いて行く。