第3章 夢じゃなかった
「いや、操作は出来てないが術式が使えてるからそれはないよ。術式自体が操作が出来てから扱える物だから、霧乃さんはそこが普通とは違う所。」
「あの、五条さんが私の事変って言ってたのはそういう事、ですか?」
「アイツが言ってたのは…それとは違うんだけど、本来呪力の源は一つしかないんだ。霧乃さんにはそれがもう一つあるらしい。私は悟程目が良いわけじゃないから、違和感があるのは確かだ。」
「紫亜のお家、神社でしょ?可能性としては信仰の影響とかあるんだけど。それでも呪力とは違う何かがあるなんて事例無いんだよね。」
事例が無い、私が異質なのは確かなんだ。
とは言え、呪霊が見える様になった以外の変化は無い。
「そういえば、色んな神様祀ってるって言ってたけど最初からそうなの?」
「いえ、最初は天照大御神と釈迦如来を祀っていて…起原は兄弟で信仰対象が違う事で仲悪くなってしまって、争わない様にって始めたそうです。そこから全ての神様、仏様が仲良くなる様に、疲れた時は休める様にと他も祀るようになったと聞いてます。」
「天照大御神と釈迦如来…また、随分な所を…」
「影響があってもおかしくはないな。」
神妙な顔をする二人を見つめる。
確かにどちらも有名だし、何処かしらで聞く名前だとは思うけど…
「その辺は悟の担当だな。」
「五条さん、ですか?」
「アイツの家は平安時代から続いてる、それの当主だからね。」
平安時代?そんな古いお家なんて…
しかも当主って…
「五条さんって凄い人なんですか…?」
「呪術界のトップ。聞いたと思うけど悟が言ってた事は本当だよ。悟の一声で何でも出来る。」
「アイツに凄いって言うなよ、調子乗ってウザいから。」
今度は呆れた顔で溜息を吐く二人。
よく分からないけど、苦労してるのかな…?
「話を戻すね。霧乃さんは現状自身の呪力も感知できないから先ずはそこからね。どうイメージするかは好きにしていいよ。自分の呪力が自覚出来れば良いから。」
呪力、と言われてもやっぱりピンと来ない。
超能力、魔法…イメージしやすい物…
うーん、丸い塊、身体の中に…