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【呪術廻戦】無理も通れば

第3章 夢じゃなかった



夏油さんは方向を指して教えてくれる。

2階に上がり端の教室に向かう。
木造校舎のそれは歩く度に小さく音が鳴る。
懐かしさを感じる音に顔が緩む。

お家、帰りたいなぁ。

私に出来る事何かないのかな。

「大丈夫?疲れた?」

「大丈夫です。全然、元気です!」

「ずっと俯いてたから、大丈夫なら良いんだけど。」

「すみません。床の軋む音がお家みたいで懐かしいなって…」

「そっか、早く帰れる様に私達も頑張るからね。着いたよ、此処が1年の教室。」

夏油さんがドアを開けてくれて、中を見ると机が四脚並んでいる。
そのうちの一つに五条さんが座っていた。

「遅ぇ!何してたんだよ。」

「硝子が寄り道してたんだよ。」

「あっそ。お前箱持ってんだろ、出せ。」

「悟は性急すぎ。霧乃さんの席は此処ね。」

席に案内され肩から下げていた鞄を置いて、中から箱を出す。

「呪力操作出来ねぇんだろ、やるぞ。」

「少しは休ませてあげなよ。悟、先に見本見せてあげな。」

夏油さんは箱を五条さんに渡すと椅子を動かした。
座って見てて、と言われ言われた通りにする。

五条さんはが箱を持つと一瞬で黒に染まる。

「呪力見えるか?」

「見えないです。」

「はぁ?こんだけ強く出してんのに?」

「み、見えないです。」

舌打ちをされる。
そんな怒らなくても良いのにな。

突然ドアが開くと、そこには硝子さんが居た。

「もうやってんの?」

「硝子、遅い。」

悪い悪い、と謝りながら空いてる椅子を持ってきて私の隣に座る。
これも見えない?と聞かれ、頷く。

「紫亜ちょっと立ってくれる?」

その場で立つと、硝子さんが腰の辺りに手を置く。

「臍に呪力の塊があると思って。その塊を身体中に広げる様に、手動かすからそれを辿って。」

そう言って腰にあった手をゆっくり上に動かす。
脊椎に沿って肩甲骨、首、と辿り頭に手を当てる。

「一回目瞑って、ゆっくり開けて。箱を見て。」

箱を見ると、箱を持つ五条さんの指が一瞬歪んだ様な気がした。

「見えた?」

「五条さんの指が一瞬歪んで見えたんですけど…」

再度見直すも指は普通の状態だ。
見間違い、だったのだろうか。

「それで大丈夫。…呪霊は見えてんだけどなー。」

「操作出来れば見えるみたいだけど。とりあえず頑張ろっか。」

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