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【呪術廻戦】無理も通れば

第3章 夢じゃなかった




「時間ぴったりだな。問診票に記入してくれ、その後検査に入る。」

紙を受け取り内容を確認する。
風邪で病院に行った時に書いた物と同じような物だった。

「紫亜、此処よろしくね。」

硝子さんが差した場所は生年月日。
先程の話の通りにという事だろう。

全て問診票に書き込みお医者さんに渡す。

普通の健康診断が終わると奥から注射器が出てくる。

「…ま、待ってくださいっ!ち、注射するんですかっ?聞いてないですっ!」

「もしかして注射…怖いのか?」

呆れてる硝子さんの方を向いて強く頷く。

注射は駄目だ。
何で怖いのか、なんて言われても体に針を刺すなんて恐怖でしかない。
血管が見えづらいと言われ何度かやり直した事もある。
昔から予防接種や採血の際はどうしても怖くてずっと泣いていた。

流石に中学生になってからは泣き叫んだり逃げ回る事はしなくなったが…
心の準備も出来ていない状態でなんてとてもではないが無理だ。

「はは、子供か。」

「…子供ですっ!!ち、ちょっとだけ時間ください!」

お医者さんも夜蛾さんも硝子さんも笑っている。
それも恥ずかしいが本当に無理なものは無理なのだ。

とりあえず落ち着かないと…

と思い深呼吸をするも針が目に入ってしまう。

「ほら、怖がってる紫亜の為に手繋いどいてあげるよ。」

右手を硝子さんに握られる。

「手汗やばい事になってるぞ。怖いなら針は見るな。」

穴があったら入りたい。
注射で怖がる所をお医者さんならともかく家族以外に見られるなんて。

もう一度深呼吸をして左腕を差し出す。

「…よ、よろしく…お願い、します…!」

そんな私を見て吹き出す硝子さん。
あぁ〜もう本当に恥ずかしい…

顔を背けて目瞑る。

お医者さんがいきますよ、と声をかけてすぐチクっと痛みが走る。

どれだけ血を抜くのか分からないが、凄く長い時間針が刺さっている感覚がする。

「はい、終わりましたよ。テープ貼りま、あれ?」

「傷、無いね。」

「え?」

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