第3章 夢じゃなかった
自分で見た感じでは何も見えないしわかんないけど…
「霧乃さんも呪力あるからその内はっきり見えると思うよ?呪霊見えてるし。」
「…ちなみにですが、見えなくなる事って…」
「元々呪力が無いならともかく、後々見えなくなるって話は聞いた事ないなぁ。」
これから先ずっとあの姿を見る事になるのか…
きっと慣れれば怖くなくなる筈…
「おはよ、紫亜もう起きてたの?まだ寝てて良かったのに。」
「硝子さん、おはようございます!目が覚めちゃって。」
「午前中は検査で午後は高専内の案内するから。服似合ってるね。私の選んだやつじゃないけど。」
「わかりました。硝子さんが選んでくださった服は明日着ますね!」
「ふふ、楽しみにしてる。それと朝ごはんなんだけど残念なお知らせだ。今日は食堂の人居ないから朝ごはんは自分達で用意する。」
硝子さんと夏油さんの顔が曇る。
「それならご飯、私が準備しても良いですか?家のお手伝いで最低限は作れるので良かったらお礼に…」
小さい頃から祭事や集会等があると食事の準備手伝ってきたので同い年の子よりは料理が出来ている、と思っている。
特技がそれくらいしかない自分がそれで恩返しが出来るなら、と思い提案する。
「本当?そしたらお願いしたいな、私も手伝うから。」
硝子さんが申し訳なさそうに言ってくる。
「じゃあ私は悟起こしてくるから、お願いしても良いかな?私も後で手伝いにはいるね。」
夏油さんは、また、と言って五条さんの部屋に向かった。
私と硝子さんは先に食堂に向かう。
食堂につき食材を確認する。
「担当の人が野菜とか日付メモってくれてるから古いやつから先に使って貰っていい?好きなだけ使って良いとは言われてるから任せちゃって良いかな?」
「はい、大丈夫です!朝ごはんって皆さん結構がっつり食べるんですか?後はアレルギーとか好き嫌いはありますか?」
「私は朝はあまり食べないんだけど、野郎共はがっつりだな。アレルギーも好き嫌いも3人共特にないよ。」
食材と調理器具の場所を確認して早速料理に取り掛かる。