第2章 これは夢か
「あの、どうかしましたか?」
「あ、あ〜いや、大丈夫かと思って。」
「?大丈夫、ですけど…あ、今何か凄く怖い夢見たんです。」
「夢?」
「何か声が聞こえるのに真っ白な部屋には私1人で、急に後ろに引っ張られたかと思ったら目の前真っ暗になって…」
「そんな程度で…」
「結構怖かったんです!…もしかして意地悪しに来たんですか?」
「な訳あるか、バーカ。」
「ばかって…!もう本当何しに来たんですか?」
「別に。…ちょっと目瞑ってろ。」
「え、何でですか。」
「いいから。」
言われた通り目を瞑ると頭に手を置かれる。
何をされてるんだろう。
いつまで瞑ってればいいんだ?
と思っていたら軽く額を弾かれる。
「もういいぞ。」
「…今おでこ弾く必要ありました…?」
「あったあった。」
「なんかその言い方意地悪な感じします。」
「良いから早く寝ろっての。」
「えぇ、五条さんが来たのに…」
「何だよ、怖くて寝れねーってか?お子ちゃまだな。」
「そんな事言ってないですー!ちょっと寝付けないだけです!本当に意地悪しに来たんですか。」
「怖いなら怖いって言えよな。硝子に連絡してやっても良いけど?」
「…大丈夫です!流石に時間も遅いですし、気も紛れたので。ありがとうございます。」
「ならいーけど。後から怖いって言っても遅いからな。ほれ、寝ろ。」
おやすみなさい、と言ってドアを閉める。
本当何しに来たんだろ?
そんな大きな物音は立ててないと思ったんだけど…
とりあえず、音立てない様にもっと気をつけよ。
考えてもわかんないし、寝よ寝よ。
五条さんのおかげで気が楽になったのは間違いないし。
寝れそうな内に寝てしまおう。
アイツの呪力が膨れた気配がしたけど、何とも無さそうだった。
怖い夢って言ってたけどそれも関係してんのか?
呪いがかかってる訳でもねぇし。
傑も硝子も気付いてないみたいだけど…
六眼でも分からないって本当何なんだアイツ。
怖いの苦手って言っておきながら気遣いやがって。
正直に言やいいのに。
とりあえず俺の呪力を付けといたから呪いだったら何とかなるだろ。