第2章 これは夢か
硝子さんは夏油さんと私の間、五条さんは向かいのソファに座る。
「バニラとチョコどっちが好き?」
「えっとじゃあ、チョコで。ありがとうございます!」
「何話してたの?」
「呪力の調査ってどんな事するのかなって。」
「まずは身体検査、紫亜は反転術式が使えるみたいだからどこまで扱えるか、あとは結果次第かな。」
「お前、呪霊見たの初めてって言ってたけど、本当に初めてか?家族に呪霊が見える人間が居るとかねーのか?」
「初めてです。霊感だって、オカルト的な物は苦手ですし…祖父は霊感があるみたいなので過去に何度か遭遇した様な話は聞いた事ありますけど、呪霊の様な化物の類の話は特に聞いた事ないですね。」
「そういえば、ご実家が神社って言ってたね。どんな神社なんだい?」
「ちょっとうちの神社特殊なんですよね。神道と仏教が混ざってて…昔は過激な人達から石投げられたりしたみたいです。」
「神道と仏教が混ざってる?祀ってるのが神様と仏様って事かい?」
「祀ってるのは神様なんですけど、仏教の教えを基にしているんです。神道では良くないとされていても良しとしてるので。日本は宗教が自由に決められますし、何かに縋りたい人は自分が救われれば何でも良いんでしょうね。一応歴史はある神社ではあるんですが何処か適当なんです。」
「結構リアリストなんだね。将来は継ぐのかい?」
「いえ、兄が1人居るので。まぁ兄は無茶苦茶な人間なので継ぐか分かりませんが…家族も好きにして良いと言ってくれてますが、継ぐ人間が居ないと外部に譲る事になっちゃうので、他人に好き勝手されるならと思って一応勉強はしてます。」
「真面目だねぇ。お兄さん無茶苦茶ってそんな酷いの?」
「うーん、兄としては多分良い人なんですよね、家族皆仲良いですし。人としてはクズを極めてると言うか…行き当たりばったりでその日暮らしのギャンブル狂いですね。どうやって稼いでるのか分からないですけど…その内、警察とか子供連れて帰ってくるんじゃないかと…」
「…お前の兄貴やっべぇな。」