第2章 これは夢か
「別に仲良くもねーし、いじめてねーよ!」
五条さんと目が合うとベーっ、とされたので負けじとやり返す。
「紫亜風呂行くぞ、温泉なんだ、ここ。」
「…温泉!凄いですね!」
「準備してくるから待ってな。」
と言って硝子さんは部屋を出て行く。
「とりあえず、大丈夫そうで安心したよ。買った物は全部揃ってる?硝子もすぐ来ると思うから私達は先に出るね。」
悟行くよ、と五条さんの腕を掴んで部屋を出ていく二人を見送る。
荷物整理しないと、と思い荷物を開ける。
ひとまずお風呂に必要な物と着替えを出して、ケースに詰める。
ぬいぐるみはベッドに並べて記念にと思い写真を撮る。
ドアがノックされ、慌てて荷物を持って出るとそこには硝子さんが居た。
準備出来ました、と言って浴場まで案内される。
途中にあった共有スペースや自動販売機も教えてもらう。
浴場に入り体を洗いお湯に浸かる。
「ここにいる間は好きに使って良いから。テレビは一応共有スペースにしか無いし、あと五条の部屋。」
「ありがとうございます。何か合宿みたいですね。」
「まぁ私等はここに住んでるから、もうそんな感じもないけどね。」
「そうなんですね。お家に帰りたくなったりしないんですか?」
「私は特に家に執着してないから別にね。授業も任務もあるからこっちにいるの方が楽だし。」
「任務…いつも呪霊と戦ってるんですね…」
「私は戦闘専門じゃないからあいつら程現場には出ないよ。私の術式は貴重なんだってよ。」
「貴重?五条さんみたいに瞬間移動とか出来るんですか?」
「アレはあいつの術式だから。私のは治療専門。他者を治療できる術式はレアなんだよね。」
「治療ですか。凄いですね!夏油さんも何かあるんですか?」
「あ〜、アレは凄いには凄いけどグロいかな。紫亜は駄目そう。気になるなら本人に見せてもらうといいよ。まぁ、あいつ等のはずば抜けてるから。」