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【呪術廻戦】無理も通れば

第1章 何が起きた




「っつ…!」

石に躓き転んでしまった。
膝を擦りむいた様で痛む。
後ろからは変わらず何かを引き摺る音が響く。

更に近づいてきているその音に身体が震える。


「夢、じゃないの…?」

膝の痛みで現実だと理解する。
とにかく逃げようと怪我した足を無理矢理動かす。
もうすぐで家に着く、それだけを希望に。




どんどん近づいてくる音に恐怖が増す。
でも足を止める事は出来ない。
もうすぐ、あの角を曲がればその先に家がある。
それだけを頼りに走る。

足に何かが絡みつき、再度転んでしまう。

何が起きたのか、足を見ると何かの腕が足を掴んでいた。

悲鳴をあげ、鞄で腕を払う。
腕が離れた瞬間、走り出す。


何が何だか分からない。
得体の知れない何かに追いかけられ足を掴まれる。
何が起きているのか理解が追いつかない。
一つだけ分かった事は危険。
とにかく逃げないと、恐怖から逃れる為に走り出す。
曲がった先には見覚えのある鳥居。



自分は社家の子だ。
だからといって霊感がある訳ではない。
今までにそんな物を見た事は無かった。
祖父は霊感がある様で過去に遭遇した不思議体験を小さい頃から聞いてきた。
小さい頃から言われてきた言葉。


「この家には守神様が付いてるから、大丈夫。」



怖い事が起きると毎回家族が言っている言葉だ。

今はそれだけを信じて鳥居を潜る。


鳥居を潜り少し恐怖から解かれる。
後ろを振り返り確認すると、何かはまだ自分を追ってきていた。
一息吐くまもなく家に向かって走り出す。
家に入れば家族が居る筈。
きっと大丈夫。




そう思った瞬間、警報音が鳴り響く。

音に驚き足が止まってしまった。
後ろには先程より近づいている何か。



恐怖で何も考える事も出来ず、凍りつく身体を動かそうにも恐怖で動けない。
もう、無理だ。
腰が抜けて座り込んでしまう。
伸びてくる手から逃げようと必死に踠く。



震えて力が入らない。
腕が体に絡みつき、宙に浮かされる。


締め付ける力がどんどん強くなる、助からない、恐怖で意識が落ちる寸前に見えたのはニタニタと笑いながら私を見てる何かだった…



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