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【呪術廻戦】無理も通れば

第1章 何が起きた




塾の帰り道、いつも通りバス停から自宅までの道を歩いている。
ただ、いつもと違う事が一つ。


背後から、と言ってもすぐ後ろではなく少し離れた所から呻き声が聞こえる。
蚊細く途切れ途切れの声が耳に届く。



「誰かいるの…?」


立ち止まり振り返る。
人気の無い一本道、街灯はあるが薄暗く見通しは悪い。
そもそも、住宅地と言える程の場所ではなく普段のこの時間に出歩く人は殆どいない。

声がする場所は自分が歩いてきた道の先だ。
しかし一本道で気付かずに通り過ぎたとは思えない。
立ち止まり少し考えたが、きっと動物の鳴き声だと思い家の方を向く。



その瞬間、

先程よりはっきりと聞こえる声。

予想だにしなかった事に全身の毛が粟立つ。

もう一度振り返る。
しかし先程同じ景色が広がるだけだった。
様子を見ようときた道を戻ろうと踏み出した時、ペタペタと足音が聞こえた。
人の足音は違うその音に驚きはしたが、もしかしたら近所の飼い犬が逃げ出したのかも、と考え歩き出す。
2.3歩歩いた所で後ろにいる何かが少し先にある街灯の下に姿を表した。


その姿は想像していたものではなく、腕は長く地面に手を付き蛇の様に胴体を引き摺っている何かだった。

呻き声だと思っていた音は胴体を引き摺る音、足音だと思った物は手を付く音だった。

恐怖に身体が凍りつき、得体の知れない何かから目を外す事も出来ず立ち竦む。
どれだけの時間が経ったのか、それとも一瞬だったのか分からないが得体の知れない何かと目が合った様な気がした。

頭と思われる物が付いていた。
どれが目で口か、表情なんて一切分からないが確かに目が合った。




「に、逃げなきゃ…」

恐怖で震える身体を無理やり動かす。
とにかく逃げよう、そう思い走り出した。

あんな得体の知れない物に遭遇するなんて初めてだ。
お化け、妖怪そんな物本の中だけの話そう思っていた。
夢かもしれない、疲れが溜まっているのかもしれない。
そう思って一心不乱にその何かから逃げる。


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