第2章 これは夢か
「…わかりました。このまま保護の方でお願いします…。」
「夜蛾セン、質問。監視って何処まで。高専から出ても良いの?その間の任務は?」
「監視は一緒に行動するくらいでいい。外に出る事も大丈夫だ。だが絶対に一人で行動しない事。お前等が任務の時は連れて行け。」
「夜蛾セン頑張ったじゃん。」
隣で白髪の人がニヤリと笑う。
「すまないが、私が出来るのはここまでだ。これが霧乃さんの部屋だ、ここにいる間は好きに使ってくれて構わない。それと硝子、一緒に買い物に出て着替えとか買ってやれ。」
家入さんが鍵と封筒を受け取ると、私の手を掴む。
「話は終わりだ。とりあえず買い物行くよ。」
手を引かれ外に出て、私のだと言われた部屋に案内される。
中に入って鞄を置いたら、涙が出てきた。
「す、すみません、すぐ止めるのでっ…!」
「大丈夫だよ。泣きたい時は泣いときな。いきなり家が無いなんて言われたら不安だよね。」
ベッドに座らさられ家入さんが背中をさすってくれる。
その優しさに更に涙が出る。
「私達に任せとけば大丈夫だよ。」
「なんせ最強だからな。」
「お前等もっとマシな励まししろよ。」
「まぁ、夜蛾センも頑張ったみたいだし?どうせ上の連中、とっとと処刑しろとか言ってたんだろ。」
処刑という言葉に驚き白髪の人を見る。
「悟は怖がらせる事言うんじゃない。更に不安にさせてどうするんだ。」
「はぁ?別に隠すような事じゃねぇだろ。弱え奴等が言う事なんて決まってんだろ。」
「本当だったとしても今言う事ではないだろ。」
「まーた正論かよ。あーうっぜ。」
「当たり前の事だろう。少し考えればわかる事だ。」
何故か喧嘩になってしまった二人に涙も止まってしまう。
今にも殴り合いをし始めそうな雰囲気に家入さんを見ると凄く面倒くさそうな顔をしている。
それが面白くて笑ってしまう。
「…あーすまない、変な物を見せたね。少しは落ち着いたかな?」
私の前にしゃがみ恥ずかしそうに目を逸らす黒髪の人。
この人もきっと良い人だ。
白髪の人はけっと言いながらそっぽを向いてる。
「…もう、大丈夫です。ありがとうございます。あの、これからよろしくお願いします。家入さん、と…」
そういえば名前聞いてなかった、と思い言葉に詰まる。
そんな私を見ながら