第3章 決定的な出会い
初めて見る他のバンド演奏は凄く勉強になった。
バンドではギター、ドラム、電子ピアノを日によって変えて弾いている。
涼太くんが今の弾き方はとか説明しながら教えてくれる。
「七桜ちゃんはまだ成長期だから技術面で難しいところは多いと思うけど、それでもやっていけばスラッとできるようになるから大丈夫だよ!それでなくても技術は凄いの持ってるんだから」
涼太くんも相当な技術者だからそう言ってもらえると嬉しいし、自信もつく。
1組目のバンドが終わり、入れ替えのため準備中。
なんとなく、ステージからホール1階席を見てみた。
(ん?今入り口付近に見たことある人がいた気がしたぞ?)
「七桜ちゃん、どうかした?」
「うぅん、どうもしないよ」
(いや、ちょっと待って!)
目を凝らして良く見てみると、目に2人の姿が映った。
その瞬間、目に入った情報が一気に脳内に入り込んだ感覚に陥った。
頭の中の記憶が一つ一つ一気に組み立てられたように完成していった。
(待って!千と万って!?なんでこの世界に?えっ?どういうこと?本当にRe:valeの千と万なの!?)
なんど確認しても本人にしか見えない。
「嘘でしょ...」
事の重大さに思わず持っていたジュースをこぼしてしまった。
「七桜ちゃん、大丈夫!?」
「あっ、ごめんなさい...拭く物借りてくる」
「俺が行くから、ここから動かないでね!」
涼太くんが代わりに言ってくれたけど、私は混乱していた。
何故ここにRe:valeがいるのか。
すると、組み立てられた頭の中の記憶のモヤもハッキリと晴れ渡り私の中に入って来た。
一瞬頭痛のようなものを感じたけど、すぐに治まりそしてやっと違和感に理解ができた。
(ここはもしかしなくても、アイドリッシュセブンの世界なんだね。)
自分が初めてアイドリッシュセブンの世界に産まれてきたことに理解できた。
叔父さんは、小鳥遊はIDOLiSH7の事務所だし、紡はマネージャー。
IDOLiSH7の七瀨 陸に、TRIGGERの九条 天。
(でも、いくら好きなゲームだったからって転生?生まれ変わり?した意味って何?そりゃ好きな人はいるけどさ・・・)
落ち着いているように見えるかもしれないが、だいぶテンパっています。
だって、こんなの信じられないじゃない!