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未来へ繋ぐメッセージ【アイナナ/Re:vale】

第3章 決定的な出会い


本番が近づくにつれて、不安が募っていく…。
(これって、前世の記憶なんだよね?途中で途切れてるってことは、私はその前に死んじゃったのかな?)

えぇ、死んでるのかも…でも今、私はここにいる。ならそれでいいか。と、思うと同時に気づく。今、この世界には百がいるんだ。会いたいな、いつか会えるかな…。

気持ちを落ち着けて、改めてホールを見渡す。うーん、どう見ても千と万にしか見えない。目立ちすぎるからすぐにわかっちゃう。でも、2人がライブハウスを見に来てたって、そんな記憶はないけど、もしかしたら知らないだけかも。
ま、細かいことを気にしても仕方ない。大切なのは今、目の前にあること。

「七桜ちゃん、そろそろ出番だよ。」

「はい!」

慌てて楽屋を出て、ステージに向かう途中で、千と万が話しながらこちらを見ている気がした。気のせい、気のせいだ。

やっぱり、2人は目立つな。イケメンはどこにいても目を引く。別に見られたくないけど、まぁしょうがない。ライブだから。

Re:valeとの関わりは深くない方がいいよねと、自分に言い聞かせる。変えたい出来事もあるけれど、深く介入しない方がいい。普通に生きるべきだ。

楽屋でギターのチューニングをしていると、今日のセットリストに少しドキドキする。オリジナルに加えて、アイドルソングや洋楽、昭和の名曲をバンドアレンジでコピー。しかも、自分がアレンジした曲もある。そして、それを歌うのは私。

「七桜ちゃん、もう行こう。」

「うん!」

ステージに急いで向かう。ギターとアンプを繋ぎ、音量の確認をしながら、ふと客席を見渡すと、やっぱり千と万が目立っている。イケメンは、どこにいても目を引くんだなぁ。

でも、正直、少し恥ずかしい。そんな風に見られるのは…できれば避けたかった。けど、気にしても仕方ない。もう、やるしかない。

そして、1曲目が始まる。心臓がドキドキしながらも、音楽に集中する。手のひらの汗を感じながら、ギターを弾き始める。あとは、この瞬間を楽しむしかない。
音楽に身を任せ、少しずつ緊張がほぐれていく。何かが弾けたような気がして、ステージの上で自由になった気がした。もう、後戻りはできない。

次の瞬間、ふと目が合った気がした。いや、気のせいだ。きっと。
でも、確信があった。今、この瞬間こそが未来へ繋がる大切な一歩だと。
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