• テキストサイズ

未来へ繋ぐメッセージ【アイナナ/Re:vale】

第14章 春原 百瀬



ライブに行くと、インディーズなのにすごい人がいて正直驚いた。
姉ちゃんに引っ張られてよく見える前に移動したとき、照明が消えて暗くなった。

暗闇の中ステージに誰かが現れると、ステージのライトが眩しく3人を照らした。
バンさんが話してるのを見ながら、ユキさんと七桜さんもどんな人なのか見てみる。
ちょっとやる気なさそうな気だるい感じのユキさんと、これから演奏する楽器の調整をしながら、ファンの子の対応をしている七桜さん。

曲が流れ歌い始めると、ライブハウスが一気に揺れ動いた。

その瞬間、体に電流が流れたような感覚に襲われた。
一瞬で圧倒され、気が付くと俺は涙を流してステージを見ていた。

恥ずかしいと思って涙を拭っていると、七桜さんと目が合った気がした。
可愛らしいキラキラとした笑顔で微笑みかけてくれてた...

すぐに逸らされてしまったけど、俺もあまりにもドキドキしすぎて、体中の血が沸騰してしまいそうな感覚だった。

(姉ちゃんの言う通り、自分だけって錯覚して勘違いしちゃうよ・・・)

俺の前で見てる女の子が今日の七桜さんがいつもより特別可愛いと話している。
特別...特別可愛い...その言葉に心が幸せでいっぱいになった。

家に帰ってすぐにファンレターを書いた。
Re:valeが大好きになり、俺のスケジュールはライブで埋まっていったし、ファン友達もできた。

それから何度もライブに行き、Re:valeの関係性が少し分かってきた気がする。
姉ちゃんは2人はユキさんに振り回されるって言うけど、俺的には振り回されてるとかじゃなくて、ユキさんを見守る的な感じかなと思ってる。

実はライブに行くたび密かに楽しみにしてることがある。
それは、七桜さんと目が合うこと。
毎回見てる位置も違うし、服装も違うけど探してくれてるの?って勘違いしそうなくらい目が合うと初めて見たときと同じ笑顔を向けてくれるんだ。

俺が自然とジッと見たり、目で追ってるからなのかもしれないけど...
そんなわけないと思っても、マジで勘違いしちゃいそう...

七桜さんは本当楽しそうに楽器を演奏する。
それに、他のバンドの男の人の演奏に負けないくらい披露する楽器の演奏が凄い。

専門的なことはわからないけど、とにかく凄いって事はわかる。


/ 571ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp